コロナ禍において、高校生の皆さんも当たり前のような日常生活が突然、喪失するという状況に直面し、色々と感じることがあったのではないでしょうか。設問についてですが、あくまでも個人的な見解として既存の価値観、特に「人と人との関係性」について改めて問い直されるように思います。今、私たちが生きている時代の次にどのような時代が来るのか、理想的な社会のあり方についてはこれまでも様々な議論がなされてきました。その議論が、コロナ禍を機に加速するような気がしています。今回のコロナ禍において、多くの皆さんは「人と人との関係性」が自分たちの生活に実はとても大きな影響を与えていることに気づいたはずです。私たちは、これまで科学技術の発展により、多くの豊かさを享受してきましたが、生活する上で大切な人どうしのつながりについてはどこか無関心になっていたのではないでしょうか。これを機に、少し立ち止まり、本当に大切なものを見極め、それを普段の生活の中で再び紡いでいく…。そうすることで、私たちが次に目指すべき新たな社会像が見えてくるのではないでしょうか。「コロナ後の世界はどうなるのか」、それは新たな社会を主体的に担っていく皆さんに向けられた問いでもあるのです。