2026.01.14
研究・授業
富山県寄附講義「観光概論」で、青森大学の櫛引素夫氏が講演
1月8日(木)の富山県寄附講義「観光概論」では、青森大学社会学部教授の櫛引素夫氏をお招きして、「人口減少社会の再デザイン 新幹線から見える風景」と題した講義が行われました。
櫛引先生は、新幹線を通じて地域社会や地域政策の課題や限界を解明する研究者です。
2015~23年には、東洋経済オンラインにて「新幹線は街をどう変えるのか」の連載もされており、記事を読んだことのある方もおられるかと思います。
講義では、これまでの日本における新幹線ネットワークの整備をめぐる現状について、制度面や経済面の変化などさまざまな視点からの解説の後、現在の新幹線建設をめぐる状況について、北陸、北海道、西九州といった整備計画が抱えている課題に加え、四国や東九州、奥羽、羽越など各地で誘致運動が活発になっている実態について説明されました。
そして、新幹線が地域にもたらす変化については、たとえば、観光客の増加が起こったとしても、それは一時的であったり、地域経済にその恩恵がいきわたるとは限らなかったりするという問題があるなど、一面的に捉えられない事象であることについて説明されました。その上で、新幹線には、“夢の超特急”の残像が今でも強く残り、情緒を強く刺激する、効果や影響の範囲を限定的に捉えられがちであるといった特徴や問題点があることを指摘されました。
富山に新幹線がやってきてもうすぐ11年となり、学生たちにとって新幹線は「あって当たり前」のような存在となっていますが、この日の講義を受けて、新幹線は、作ることが目的ではなく、地域の目指すべき未来を実現させるための手段であること、社会は変わり続けているのだから開業後のその有効活用を考えて実行していくことが重要であるということを理解する機会となりました。
