富山から世界に展開する起業家に学ぶ
2025年12月10日(水)の1年生向け授業「経営情報概論」において、株式会社Engames(射水市)代表取締役 杉木貴文氏をお招きし、「起業に関して外部講師から学ぶ」と題した特別講義を実施しました。今回の講義は、学生が地域企業の実践的な経営事例に触れ、ビジネス創出への理解を深めることを目的としたものです。
杉木氏は、Engames社を2020年に設立し、ボードゲーム総合企業として成長させてこられました。同社は、以下のように地域及び業界から高い評価を受けています。
・2022年:富山市ヤングカンパニー大賞 受賞
・2023年・2024年:富山県T-Startup企業 選定
・2025年:射水市きらりカンパニー顕彰事業きらり大賞 受賞
・日本ボードゲーム大賞
2020年:投票部門1位
2023年:選考部門大賞
講義においてはまず、世界のボードゲーム市場が年成長率10.58%で伸びており、2032年には320億ドル(約5兆円)への成長が予測されていることが紹介されました。日本ではボードゲームがあまり流行していないという中で、Engames社が2025年8月期で約2億円の売上を達成したことを報告されました。
起業のきっかけが中学生のときに「マジック・ザ・ギャザリング」というゲームとの出会いであること、大学生のときに国内・海外の大会に参加して賞金を約300万円獲得したこと、その後大会の運営に関わったりゲーム作りを手伝ったりしたことが紹介されました。起業にあたっては、英語・算数・数学・国語、そして会社員としての経験が役立ったとのことです。
当初はボードゲームの小売りを行っていたが、業界全体のビジネス構造が分かってくる中で、事業計画を立ててビジネスを拡大させてきたことが語られました。海外ゲームの日本語版独占製造販売権取得、連携工場でもOEM製造・卸売り販売、消費者向け販売サイト立ち上げとカフェ運営に取り組んできたことが語られました。数学に基づいた経営を行っていること、マイケル・ポーターの理論を取り入れた競争戦略を実践していること、競合企業との協調戦略に基づく業界共同物流事業に取り組んでいることなどを説明されました。
受講した学生からは、「富山で起業し世界各国と関わっている会社を初めて知り驚いた」「起業に必要なことを学べて楽しかった」「起業への理解が深まり今後の行動に活かしたいと思った」といった感想が寄せられ、有意義な学びの機会になったことがうかがえました。

