VoIPの技術背景

最近、ネットワーク上で音声伝送を実現する技術として、 IPネットワークを利用するVoIP(Voice over IP)、 フレームリレーネットワークを利用するVoFR(Voice over Flame Relay)、 ATM WANを利用するVoATM(Voice over ATM)などが注目されている。 音声伝送において、パケット化することにより、IPネットワークなどの既 存ネットワーク技術の延長で音声通話が可能になり、電子交換機が不要と なるなど、大幅なコスト削減が可能となる。 その反面、パケットによる通信では従来の公衆電話網が回線交換によって 実現しているレベルの品質と信頼性を達成するにはまだ技術的な課題が残 されている。 現在、VoIPによるIP電話技術は通信技術の中で最も著しい進歩を見せてい る技術の一つとなってきているが、もともとは、パソコンにカメラとマイ クを取り付け、LAN経由でリアルタイムに画像や音声をやり取りする「ネッ トワークテレビ会議」やインターネットを経由し、高信頼性は望めないが 安価な長距離電話を実現するために開発された。 最近では、通信事業者が基幹網をIP網化し、電子交換機を使わなくても既 存の加入電話と同等レベルの利便性や操作性を提供する技術が実現しつつ ある。

IP電話(IP Phone)の要素技術には、アナログ音声をディジタル化する音声 符合化技術、ディジタル化した音声データをIPパケット化する技術がある。 音声圧縮符合化方式には、G.729、G.723.1やCS-ACELP(Conjugate Structure Algebraic Code Excited Linear Predictor)などの標準化され た技術、あるいはモトローラ社仕様の8k CVSELP(Codex Vector Sum Excited Linear Predictor)やBundled 8k CVSELPなどの技術を利用できる。 ITU-T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)では、これらの技術仕様を H.323として標準化しようとしている。

音声データをIPパケット化する技術については、リアルタイム性を重視す るので多少のパケット損失はやむを得ないものとしてパケットサイズをな るべく小さくし、到着確認を行なわないUDPパケットを利用することで実 現している。なお、IP電話装置における呼設定処理やVoice Signalling Dataの伝送にはTCPパケットを利用して信頼性を確保している。

これらの技術背景をもとに、本研究においては、CATV-LAN内でインターネッ ト電話網を実験的に導入することにより、CATV網を本格的な通信網として 利用する可能性を検討した。

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