SHARP製Mebius PC-PJ2-S2にRed Hat Linux 5.2Jをインストール

最近、約22万円と手頃な価格のB5サイズ薄型ノートパソコン、 PC-PJ2-S2 (CPU: Mobile Celeron 300MHz, RAM: 64MB, HDD: 4.3GB、以下PJ2-S2と略記)を 購入し(1999.6.19)、 日本語Red Hat Linux 5.2 (以下、RHL5.2Jと略記)をインストールしてみた。本当は、4万円高くなるが、 PC-PJ2-M2 (CPU: Mobile Pentium II 300MHz, RAM: 128MB, HDD: 6.4GB)のほうがよかったの だが、その時点では納入までに3週間待ちとのことで断念。見やすいブラックTFT 液晶、100Base-TXポート標準装備、他社製品のように変てこな別売りアダプタな しに液晶プロジェクタと接続できること、今ならモバイルジャケットがもらえる ことなどが魅力であったためである。 今夏の全学キャンパスネットワーク構築時(夏期休業を利用して第3期工事の予定) に学内をあちこち移動しながらネットワーク設定などでいろいろ使うのが本来の 目的なのである。

インストール手順

【注意】
私の場合、以下のように作業したという事実を書 いただけであり、動作を保証するものではありません。

Linux用パーティションの確保

付属のFDドライブを忘れずに接続して電源投入。Windows98が起動する。ここで、 デフラグを実行(出荷時状態ならばやる必要はないだろう)。 Windows98システムディスク(FD)を作成し、RHL5.2JバイナリCDの /dosutils/fips20/fips.exeをWindows98システムディスクにコピー。 Windows98システムディスクから再起動し、fips.exeを実行しDOS(FAT32)パー ティションを分割。この時点でDOSパーティションが2つになる。 購入時に設定されていた/dev/hda4パーティションはサスペンド、あるいはハイ バーネーション用パーティションらしい(136 MBも取るのか)。 このパーティションはいじらないことにした。 なお、PJ2-S2添付のリカバリCDから再インストールすると、パーティション設定を 出荷時状態に戻してしまうので注意。

ハードディスクからインストールするため準備

Windowsデスクトップ機を起動し、RHL5.2JのバイナリCDを共有設定にする。 PJ2-S2もWindows98で起動しLAN接続できるように設定し、再起動。 ネットワークコンピュータを開いて見えるようになったRHL5.2JバイナリCD内の RedHatフォルダをまるごとPJ2-S2にコピーした。

現在販売されている日本語Red Hat Linux 5.2のバイナリCDに入っているブート ディスクイメージと補助ディスクイメージ(/images/boot.img, /images/supp.img) はハードディスクからのインストールができないというバグがあるとのこと。 http://www.redhat.com/corp/support/errata/rh52-errata-general.html#BootImg から、boot.imgとsupp.imgをダウンロードし、2枚のFDを作成した。 なお、これは英語版インストール用ディスクイメージである。 あるいは、 日本語Red Hat Linux 5.2 Rel.2日本語Red Hat Linux5.2 β2.3フリー版 ならば大丈夫かも知れない。 LAN経由でftpインストール、NFSインストール、SMBインストールも可能である が、このブートディスクでは、PJ2-S2の LAN機能(チップは、RealTek RTL8139) を認識しないため、ブートディスクを作り直す必要があるのでこれらの方法は とらなかった。

さきほど作成したインストール用ブートディスクから起動し、ハードディスク (hard drive)からのインストールを選ぶ。補助ディスクを入れろと言われるの でディスクを入れ替える。 パーティション作成のところでは、fdiskを選び、2 番目のDOSパーティション を削除し、Linux用パーティションとSwap用パーティションを設定した。 ここでは、拡張パーティションに設定し、/dev/hda5をルートパーティション、 /dev/hda6を/homeパーティションとした。

# fdisk
Using /dev/hda as default device!

Command (m for help): p

Disk /dev/hda: 255 heads, 63 sectors, 526 cylinders
Units = cylinders of 16065 * 512 bytes

   Device Boot    Start      End   Blocks   Id  System
/dev/hda1   *         1      212  1702858+   b  Win95 FAT32
/dev/hda2           213      508  2377620    5  Extended
/dev/hda4           509      525   136552+  a0  Unknown
/dev/hda5           213      428  1734988+  83  Linux native
/dev/hda6           429      500   578308+  83  Linux native
/dev/hda7           501      508    64228+  82  Linux swap

Command (m for help): q
#

インストールタイプにはカスタムを選び、インストールするコンポーネントに は全てを選んだ。なぜか、xgammonだけはBad file descriptorとかでインストー ルできなかった。 LILOについては、/dev/hdaのMBRに書き込むことにした。 なお、セットアップユーティリティ画面のSecurityメニューで、Fixes disk boot sectorがWrite Protectになっているとブートセクタに書き込みができな い。 Red Hat Linuxのインストールが終了したら、再起動し、Linuxをブート。 まだLAN機能が使えないので、/etc/conf.modulesファイルに、

alias eth0 rtl8139

を書き込み、再起動する。再起動時、画面左下に Press <F2 >to enter SETUP が表示されている時にF2キーを押し、セットアップユーティリティの画面を出す。 Advancedメニュー(PC-PJ2シリーズ取説p.72)で、Plug & Play O/SをNoに設定する。 これをしないとLinuxではLAN機能が使えないようだ。 英語版インストーラでインストールしたため、このままだと英語モードなので、 .bashrcファイルに、

export LANG=ja_JP.ujis

を書き込む(Bシェル系の場合)。 キーボード配列については、コンソール、X Window上でもASCII配列で使いた かったので、 技術評論社発行の「Software Design」 誌1999年7月号p.82を参照して設定した。

X Windowの設定

PS2-M2, PS2-S2のビデオチップは NeoMagicキラーと言われる Trident Cyber9525DVDであり、 PC-PJ2シリーズから採用されている。 市販のXサーバであるAccelerated-Xなら ば動作するようである(Update Patch L5000.004 )が、現在のXFree86 3.3.3.1ではサ ポートされていないようだ。次のバージョンの3.3.4かpre-4.0待ちのようであ る。従って、Cyber9525を(試験的に)サポートしたXF86_SVGAを Linux and the Toshiba Satellite 4030 CDT のページからダウンロード(ファイル名: X3331-Cyber9525-bin.tar.gz , 約1.3MB)した。 なお、1999年7月20日公開の XFree86-3.3.4snapshot 3.9.15 でCyber9525DVDがサポートされたようだ。

# cd /
# mv /etc/X11/XF86Config /etc/X11/XF86Config-dist
# mv /usr/X11R6/bin/XF86_SVGA /usr/X11R6/bin/XF86_SVGA-dist
# mv /usr/X11R6/bin/SuperProbe /usr/X11R6/bin/SuperProbe-dist
# mv /usr/X11R6/lib/X11/Cards /usr/X11R6/lib/X11/Cards-dist
# tar xfz /tmp/X3331-Cyber9525-bin.tar.gz

この中の/etc/X11/XF86Configファイルを若干修正した (このXサーバ用XF86Config.orgファイル)。 このXサーバでは、X-TT(TrueType)がうまくいかない以外は、8bpp, 16bppとも 問題なく動作しているようである。 このままではとても申し訳ない状態なので、 The X-TrueType Server Project の情報をもとに、Xサーバをコンパイルし直してみた(ファイル名: XF86_SVGA_xtt.tar.gz, 約1.2MB)。 これで、DynaFontなどのTrueTypeフォントが使えるようになった (現在使用中のXF86Configファイル、 現在はaccelを有効にし、DefaultColorDepthを16bppにしている)。

libc5用など、他のdistribution向けに、XFree86 3.3.3.1, X-TTの各ソースから コンパイルする場合は、まず、上記サイトから、

X333servonly.tgz
3.3.3-3.3.3.1.diff.gz
xtt-1.2.tar.gz
xtt-1.2-to1.2.1.tar.gz

をダウンロードし、次のように展開・パッチを当てる。

% cd src
% tar xofz X333servonly.tgz
% tar xofz xtt-1.2.tar.gz
% tar xofz xtt-1.2-to-1.2.1.tar.gz
% cd xc
% patch -p1 -t -E -N < ../xtt-1.2/shared-libfont-1.0.diff
% patch -p1 -t -E -N < ../xtt-1.2/xtt-xf333-changes.diff
% zcat ../3.3.3-3.3.3.1.diff.gz | patch -p1 -t -N
% patch -p1 -t -E -N < ../xtt-1.2/contribute/xtt-xfsft-lib.patch
% tar xof ../xtt-1.2/xtt-core.tar -C lib/font
% patch -p1 -t -E -N < ../xtt-1.2-to-1.2.1/xtt-core.diff
% patch -p1 -t -E -N < ../xtt-1.2-to-1.2.1/xtt-doc.diff

その後、xc-PC-PJ2.diffのパッチを当て (ディレクトリxcにて)、

% patch -p1 -N < xc-PC-PJ2.diff
% make World

とすれば、xc/programs/Xserver/XF86_SVGAができる。

XFree86 3.3.4の場合は、まず、 DTIのFTPサイト からX334src-1.tgzとX334src-2.tgzをダウンロードする。 その後、上記同様、展開・パッチを当てる。

% cd src
% tar xofz X334-src-1.tgz
% tar xofz X334-src-2.tgz
% tar xofz xtt-1.2.tar.gz
% tar xofz xtt-1.2-to-1.2.1.tar.gz
% cd xc
% patch -p1 -t -E -N < ../xtt-1.2/shared-libfont-1.0.diff
% patch -p1 -t -E -N < ../xtt-1.2/xtt-xf333-changes.diff
% patch -p1 -t -E -N < ../xtt-1.2/contribute/xtt-xfsft-lib.patch
% tar xof ../xtt-1.2/xtt-core.tar -C lib/font
% patch -p1 -t -E -N < ../xtt-1.2-to-1.2.1/xtt-core.diff
% patch -p1 -t -E -N < ../xtt-1.2-to-1.2.1/xtt-doc.diff

その後、xc/config/cf/xf86site.defファイルを編集し、

#define XF86SVGAServer          YES

#define ServerToInstall         XF86_SVGA

の2行を有効にする。 その後、make Worldとすればxc/programs/Xserver/XF86_SVGAができる。

カーネルの再構築

APM機能を有効にするためにカーネルを再構築した。make menuconfigでは、

CONFIG_APM=y
CONFIG_APM_IGNORE_USER_SUSPEND=y
CONFIG_APM_DO_ENABLE=y
CONFIG_APM_CPU_IDLE=y
CONFIG_APM_DISPLAY_BLANK=y
CONFIG_APM_POWER_OFF=y

とした。

ネットワークのパーフォーマンステスト

netperf コマンドを利用して100Base-TXのパーフォーマンスのテストを行なってみた。 通信相手のnetserverは、Sun Ultra30(Solaris2.6)上で動かしており、 3ComSuperStackIISwitch3900を介して接続した。

$ netperf -H xxxxxxxx -- -S 65535
TCP STREAM TEST to xxxxxxxx
Recv   Send    Send
Socket Socket  Message  Elapsed
Size   Size    Size     Time     Throughput
bytes  bytes   bytes    secs.    10^6bits/sec

 65928  65535  65535    10.00      86.72

TurboLinux4.0のインストール

(株)ターボリナックスジャパンから出ている TurboLinux4.0日本語版 をインストールしてみた。 ブートディスク(boot.img)と追加モジュールディスク(extrahw.img)、 補助ディスク(supp.img)を用意すれば、内蔵EthernetPortを認識し、 NFSサーバ経由で難なくインストールできた。 なお、インストーラの起動画面では、日本語インストールを選ぶと画面が乱れる ので、英語インストールで行なった。 上記発行元のホームページのFAQ、 Mebius内蔵NICの認識では、 BIOSの設定でPlag & Play O/SをYesとするようにとあるが、実際はNoとしないとだめ であった。 また、TurboLinux4.0のXサーバはXFree86 3.3.3.1ベースなので、インストールの際 はXの設定を飛ばし、改めてXサーバのコンパイル(上記参照)を行なった。 コンパイルには、freetype-devel-1.2-2.i386.rpmが必要であり、turbopkgコマンド でインストールした。

以 上


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