大学進学者数は10年横ばいであった
─進学を契機とする移動率の低下─
第二次団塊の世代の出生のピークが'70年代前半にあった。その後出生数の減少は、ほぼ'90年まで続き、次いで'00年代の初めまで横ばいとなった後、再び減少局面に移っている。この結果、第二次団塊の世代のピークが高校を卒業して大学へと向かったのは'90年代の当初で、その後卒業者は急速に減少してきた。現在は、その後の横ばいの時代に到達している。
高校卒業者が減少する中で、我が国の大学進学者数も減少してきていると認識されているようだが、実際には2000年まで増加が続き、その後10年程度横ばい状態となっている。今後は、出生数の横ばいに対応し、我が国の大学進学者数は、少なくとも横ばい、場合によっては、若干の増加傾向が続くこととなろう。
このように高校卒業者数が減少するにも拘わらず、大学進学者数が増加から横ばいへと推移しているのは、大学に一定の収容力があるため、かつてであれば短大、専門学校、あるいは職場へと進んだあろう者が、大学へと進み進学率が上昇したためである。
富山県の大学進学者数の推移については、人口動態の大きな変化、転換点は全国と同様である。しかし、人口減少が一層大きかったこと、そして大学進学率が以前からある程度高く進学率の上昇に限度があったことなどのため、県内高校卒業者の大学進学者数は、概ね'90年代半ばより減少を続けている。ただし、減少は主として県外への進学者で起こっており、県内での進学者数は、'90年代末以降、概ね800人台での横ばいが続いている。
この県内・県外への進学者数の違いは、現下の経済動向の中で、他地域への進学を支えることが困難となり起こっている現象と解釈されている。ただし、県外から富山県への進学者数は横ばいを保っている。
なお、こうした動向は、大学を取り巻く環境条件の中で自ずと起こったことであるのか、あるいは、大学自体の努力が相当左右して起こったことであるのか、判然とはしない。
都道府県毎の大学進学者の地域内残留率(県内高校卒業の県内進学者数/県内高校卒業の進学者総数)の推移をみると、殆どの地域で漸増が続いている。
富山県でも'00年代に若干の増加が見られる。
他方、都道府県毎の大学での県内出身者占有率(県内高校卒業の県内進学者数/県内大学入学者総数)についても、各地域で漸増してきた。
ただし、富山については、横ばいないしは若干の低下となっている。
以上のように各地域で残留率と占有率の双方が増加し、それぞれの地域での大学進学者の収容力率(残留率/占有率)を維持ないしは増加させている。
収容力率=県内大学入学者総数/県内高校卒業の進学者総数
=(県内高校卒業の県内進学者/県内高校卒業の進学者総数)/(県内高校卒業の県内進学者/県内大学入学者総数)
= 残留率/占有率
右図で原点を通る直線が収容力率の等値線となっている。
こうした中で、富山県については、収容力率が2009年に50%を超えた。
(統計データ)
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(Jan.09,2011)