第4章 堅実な生活
第2節 絆の強い社会

第3項 不透明な消費(4)
−−消費者物価指数−−

デフレの深刻化か
─大幅に低下した2009年消費者物価─

 2009年の富山市の消費者物価指数は、前年比1.6%の低下となった(生鮮食品を除くと1.8%の低下)。
 政府は昨年11月の月例経済報告で「デフレ宣言」を行っており、富山市のこの消費者物価指数の変化もデフレの深刻化の象徴と見られよう。しかし、費目ごとの物価の変化を検討すると、必ずしも単純に捉えることはできない。
 物価下落の寄与率を中分類の費目で見ると、自動車関係費49%、他の光熱23%、教養娯楽用耐久財15%、家賃10%、衣料6%、教養娯楽サービス5%、家庭用耐久財4%などとなっている(物価が上昇した費目ではマイナスの寄与率となるため、物価が低下した費目の寄与率の合計は100%を超える)。
 このうち、自動車等関係費、他の光熱は、ガソリン、灯油等のエネルギー価格の変動によるもので、2008年の高騰から反落したため下げ幅が大きくでたものである。
 また、教養娯楽耐久財は、家電製品などの価格低下によるもので、既に2008年も大幅の低下を見せていた。ちなみに家庭用耐久財については、むしろ下げ幅が小さくなっている。
 家賃は、空き家率の上昇や所得低下の中での負担力の低下によるものであろう。この費目も前年に引き続きの低下である。
 衣料は、ユニクロなどのように、手ごろな価格の商品が積極的に提供されたためであろう。
 教養娯楽サービスは宿泊などの旅行関連サービス、あるいは月謝などで、これは低価格商品・サービスが選好された結果であろう。
 「デフレの深刻化」と捉えられる費目を「消費低迷の中で価格の下げ幅が一層拡大した費目」と狭義に定義すれば、価格低下寄与率の高い上述の費目のうちでは、衣料・教養娯楽サービス程度に限られ、物価の下落幅全体の中では、必ずしも大きな寄与率を持っていない。つまり、確かに、デフレ傾向は見られるのだが、物価の低下全体でこれを強調するのは、誤解を伴うのではなかろうか。



(統計データ)

(Feb.17,2010)


エネルギー価格の上昇
―2007年物価指数の動向―

 近年の消費者物価の推移を見ると、1990年代末には、中国等からの安価な物資の輸入もあり次第に指数が低下し、2000年代初めには、本格的な低下に至り、デフレーションとして喧騒された。
 その後、2002年頃より次第に物価指数の低下は終息し、横ばい状態が続いていたが、2007年には、石油価格の上昇等から、指数の上昇が始まっている。

 2007年12月の富山市の消費者物価指数総合の前年同月比は1.1%の上昇となった。
 2007年中は、ガソリンを始めとする石油関連製品価格の上昇があり、物価水準全体が押し上げられている。
 エネルギー価格の上昇は、2004年から2006年半ばでも見られたが、この間は、家具家事用品、教養娯楽などその他の価格の低下により相殺されていた。しかし、2007年中のエネルギー価格の上昇は急激であり、また、これまで低下していた家具家事用品等の価格の低下も緩やかなものとなり、以前のように、相殺できなくなっている。



 2007年末(12月)の前年同月比増減率を2005年基準の各項目のウエイトと対比させてみると、最も物価上昇に寄与しているのは、交通・通信費であることが分かる。これは、ガソリンを主体とする自動車関係費が高騰していることを表している。
 また、灯油等の上昇による光熱・水道費の増加も大きい。




 2005年からは、エネルギー関連を集計した指数が発表されており、この間の包括的な推移が分かる。
 ちなみに、ガスは2006年中に上昇したが、電気は今後料金が引き上げられると見込まれる。また、ガソリン等の低下する見込みもなく、エネルギー関連物価指数は、2008年中も引き続き上昇し続けることとなろう。


 また、消費者物価指数の中でのエネルギーウエイトは、富山市で821/10000であり、全国の都道府県庁所在都市の中では10番目の高さとなっている。
 (なお、都市別消費者物価指数のウエイトについては、基礎となる統計の標本数の少なさもあり、かなり振れの大きいものとなっているようである。その他の項目のウエイト等を見ても必ずしも、富山市の値として納得がいかない。)


 なお、富山の消費者物価(地域差指数)の特徴としては、県民が富山平野に分散して住んでいる影響が現れている。

(統計データ)

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(Feb.17,2010Rev./May.26,2001.Orig.)