第4章 堅実な生活
第2節 絆の強い社会
第1項 世帯の規模(1) −−大規模世帯−−
相対的に5〜7人の三世代家族世帯が多い ─世帯規模の大きい富山─
富山の地域社会を考えると、「世帯規模が大きい」ということが多くの特徴の背景となっている。
全国の一般世帯の平均規模2.4人(2010年)に対し、富山県では、2.8人で都道府県の中で山形県、福井県、佐賀県に次ぎ4番目に大きなものとなっている。
一般世帯で、県民が所属する世帯規模別の人口の構成比を見ると、最も多い規模は全国の場合と同様に、4人である。しかし、全国と比較し、5〜7人の多人数世帯の割合が多く、1、2人の世帯の割合が小さい。
各人のライフサイクルの中では、出生時には核家族あるいはその他の親族世帯に属しているが、10歳代後半から核家族が減少し、単独世帯も現れる。その後40歳代からは、高齢の親との同居さらには子どもの家族との同居が増加していく。しかし、50歳代半ば以降は子どもの家族との同居も減少し、一旦核家族(夫婦のみあるいは単身の子どもとの同居)が増える。その後概ね70歳代から施設居住者も増加していく。
→詳細な解説
→内閣府「国民生活に関する世論調査」
各人が属する世帯の類型を核家族及び拡大家族を含めた親族のみの世帯と単身世帯と施設等のその他世帯に分けて見ると、都道府県によって親族のみ世帯と単身世帯の構成が大きく異なる。
富山県等の日本海沿岸諸県では親族のみ世帯の構成比が高いが大都市地域や九州・四国では単身世帯の構成比が高くなっている。
三世代家族世帯等(核家族を除く親族のみ世帯)に属する人口の構成については、東北及び北陸でさらには山陰で特に高くなっている。
逆に大都市地域では低くなっており、東北の宮城、北陸の石川も若干低くなっている。
(統計データ)
(Dec.04,2011)
以下↓は、2005年国勢調査による分析
世帯規模別分布
県民が所属する世帯規模別の人口の構成比を見ると、最も多い規模は全国の場合と同様に、4人である。しかし、全国と比較し、5〜7人の多人数世帯の割合が多く、1、2人の世帯の割合が小さい。
世帯類型
世帯類型の構成では、全国と比較して富山県は、単身・非親族世帯や核家族世帯が少なく、三世代同居等のその他の親族世帯の割合が多い。
(→1995年のデータによる分析)
当然のことではあるが、世帯数の構成と各世帯に属する人口の構成は、異なることに留意しておく必要がある。
世帯数の構成では、単身世帯や夫婦のみ世帯が、特に目立つ。
三世代世帯
世帯規模に関連して、親族世帯に占める三世代世帯の割合を見ると、地域によって大きく異なっている。
山形が31.9%で際立って高く、以下20%台半ばで福井、新潟、秋田と続き、次に24.4%で富山がある。
単独世帯
単独世帯について、総世帯の中での比率を見ると、全国で最も少ないのは奈良、次いで岐阜であり、これに山形、富山が続いている。
このうち、奈良、岐阜については、大都市圏の郊外として家族用の住宅地があるためであろう。
富山や山形については、家族形成の習慣とともに大学等の収容力が相対的に少ないこともあり、単身・非親族世帯比率が低くなっているのであろう。
これに対して、この比率が高いのは大都市圏を中心とした地域である。また、北海道、鹿児島、高知でも高いが、これは過疎化の中で、高齢の単身者等が増えているものと見られる。
世帯規模の決定要因
このように世帯規模の大きい県、三世代世帯当の拡大親族世帯の構成の大きい県は、いずれも日本海沿岸に位置しており、水に恵まれた沖積平野で稲作が盛んで、かつては家族が共同して農業に当たってきた地域である。さらに、大都市圏の外縁に当たる位置にあり、居住地の近辺での工場等の働く場に恵まれてきた。こうした事情を背景に、これらの県は人口の年々の社会移動率(流出入率)が全国の中でも特に低いとなっている。 この結果、社会の近代化の流れの中で、必ずしも大都市へ向かった人口の流れが強く現れず、核家族化の進行が少なかった地域であるといえよう。
ちなみに、九州では佐賀が相対的に高いが、やはり平野が広がっている。
しかし、稲作による世帯の縛りは、相当薄らいでおり、今日では、歴史的経緯から大規模世帯が残っていると考えられる。
このため、パラサイトでも決め込まない限りは核家族化は急速に進む状況にある。特に、富山では、世帯に関する意識は大きく変わっており、世帯の構成は急速に変化しつつある。
(統計データ)
(統計データExcel)
家族と仲よく暮らしたい ―世論調査 2007〜2009年―
内閣府の「国民生活に関する世論調査」では、近年、地域ブロック別統計も発表されているが、富山を含む北陸ブロックには新潟を含めた4県であること、標本数が約330に留まっていることなど注意が必要である。
敢えて、3年間の統計から、その比率の平均が全国値と比較的差があるものを探すと、家族への思いが若干異なっているようである。
「老後は誰とどのように暮すのがよいか」の質問に、子供夫婦との同居を挙げた者の比率は、全国で29%であったのに対して、北陸ブロックでは、36%であった。さらに東山(山梨、長野、岐阜)ブロック、東北ブロックは一層高い。
この比率が低いのは、北海道・南九州と近畿・南関東であり、前者は過疎の中で繋がりが崩壊しているものであり、後者は都市化の中で繋がりが放棄されているものと解釈できよう。
そして、中部地方の諸ブロックや北関東はこの中間にあり、繋がりが相対的に残っている。
このような環境の中で、北陸ブロック等では、家族を大切にする傾向が窺える。
「家庭の役割」についての質問(マルチ・アンサー)では、いずれのブロックでも、家族の団欒、休息・やすらぎの場、家族のきずなを強める場などとする者が多いが、これらの項目は、家族の特定の機能を述べているものでなく、いわば、「仲よく暮らしたい」というと捉えることができよう。
そして、北陸ブロックは、これらの項目を他地域より一層多く選択している。
なお、これらの「世論」については、それぞれの地域の環境の中での考え方が顕れているもので、それらの人々が他地域に転居しても持ち続けることが予想されるような「県民性」などというものとして捉えることは早計であろう。
(統計データ)
(Aug.18,2009Add.)
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