家庭と地域社会

課題

家族・地域社会(コミュニティ)の崩壊の抑制
 富山県の家族規模は、現在のところ全国で3番目に大きな規模であるが、最も急速に縮小している。具体的には、非婚・離婚の比率が急速に高まり、子供の数が減り、独居化、夫婦化、小規模核家族化など世帯の縮小が急速に進んでいる。
 これにより、家族が従来持っていた子育てや介護等の諸機能が縮小し、さらに一層外部に求めてられいる。
 また、人口の都市への移動とあいまって、地域社会組織の機能も大きく変容してきている。一方では、地域の束縛からの開放といった面もあるが、他方では、地域の多様な助け合いはもとより、ごみの管理、防犯、その他基礎的な機能も脆弱となり、生活の基礎的な機能を充たすためにも市町村行政の支援を一層求めるようになっている。

ボランタリィな社会組織(アソシェーション)の樹立
 このような生活の機能要件を充たすために、ボランタリィな社会組織への期待もあるが、具体的な手だてがほとんど見えていない。

課題の捉え方

家族・地域社会とボランタリィな社会組織は生活を支える車の両輪となっていく。
家族の変遷
複合大家族
核家族
独居世帯
 これまで、家族の機能を再確認にしないまま、多様な支援制度を整備してきた。これにより、家族の崩壊を助長した面もあろう。
 これに対しては、従来からあった機能の維持を念頭においた仕組みの形成が必要と考えられる。


集団類型論の系譜
テンニースゲマインシャフトゲゼルシャフト
クーリー第一次集団第二次集団
マッキーバーコミュニティアソシェーション
高田保馬基礎社会派生社会
 地域社会については、約30年前から概念を十分に明確にしないまま「コミュニティ」施策を展開してきた。


マッキーバーの類型の概念
コミュニティ地域性と共同生活の存在と共属感情による基礎的社会集団
共同関心により成立
なんらかの自足性を持つ
アソシェーション特定の類似の関心に基づいて限定的目標を達成するための集団
人為的に構成
 しかし、コミュニティとアソシエーションについての概念の未整理により、人々の新しい活動の位置づけが不透明のままになっている。


ヴォランタリ・アソシェーションの類型−1
表出的 
手段的 
表出−手段的 
 特に、ヴォランタリ・アソシェーションに関する認識が必要であろう。
 この中には、直接楽しみを求めるものから特定の目的を実現するための手段とするものまでの拡がりがある。


ヴォランタリ・アソシェーションの類型−2
エリート集団 
運動体 
 狭義のコミュニティの機能と重なり、無限定な目的を持つ制度化された集団も多い。
 一方で、新たな運動としての集団も出てきている。


@多様性を認めつつも社会としての制度的枠組みを想定
 個のライフサイクルにおいて、幼少期・就学期、高齢期は支援を受けざるをえない。このため家族を形成し、その自立を通じて始めて、個の自立が達成される。
 子育てをしないで高齢期に社会的支援を受けることは困難である。介護保険、年金等の積み上げがあっても自立した制度でない。
 これまで逸脱行動(例えば非婚・離婚)と見なされてきたことが許容されることは自由度が高まる意味で望ましい。しかし、社会システムが成り立たない形でかつて逸脱とされたことが促進される作用には保守的に対応されなければならない。

A家族・コミュニティ、アソシェーションの拡がりを踏まえた組織の樹立
 ボランタリィ・アソシェーションを認知し、それを組み込んだ社会システムの形成を目指していくことが求められる。
 各種の組織もボランタリィな活動を積極的に受け入れていく必要がある。例えば小中学校が抱える多くの課題も地域の人の参加があって解決していけるのではなかろうか。

B家族の維持、アソシェーションへの積極的参画
 家族の範囲を超えてボランタリィな活動を展開していくことが、結局は人生を豊かにしていくのではなかろうか。



対応策

従来の家族・地域社会の機能をおろそかにしない制度 自立の尊重
 社会制度については、家族機能を助長する形態が求められる。例えば、介護保険での家族への支給を横だしで行うことなどが必要であろう。
 狭義のコミュニティには限定された明確な機能の実現を求めるていく必要がある。例えば、ゴミ収集・清掃などは地域住民の役割として認識される必要があろう。移住に際して費用負担を求めること(「まんぞう」など)を頭から否定するような議論もあるが、行政の介入しない地域住民自らの活動の存在を確認する必要があろう。
 単独生活者等への負担、子供め高齢者との共同生活者への優遇をいろいろな分野で工夫していくことが考えられる。独身税・ノーキッズ税や親子連れ割引、教育奨学金・貸付制度の再認識などなど地域なりに何が工夫できるか検討してく。


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