第4章 堅実な生活
第2節 絆の強い社会

第4項 地域社会の繋がり(2)
−−コミュニティ組織の崩壊−−

婦人会等の加入率の低下

 婦人会や老人クラブ等のコミュニティ組織が次第に縮小している。
 例えば、最近10年間の市町村毎の婦人会及び老人クラブの加入率の変化を見ると、ほとんどの市町村で、双方の率が低下している。


 婦人会の加入率については、県平均で17.7%(1999年)であり、既にほとんどの市町村で50%以下となっている。特に、富山市及び婦負郡の町村での加入率は、いずれも5%以下である。
 地域社会の多様な用務を処理するために、町内会単位の婦人の集まりは、ほとんどの地域にもあるものと考えられる。しかし、婦人会として、全県組織に登録加入していないのであろう。


 一方、老人クラブの加入率については、県平均で62.4%(1999年)であり、ほとんどの市町村で50%以上である。特に、東西砺波群では90%以上の町村が多い。
 これは、年齢によって自動的に登録され、全県組織に登録しているものと見られる。しかし、対象年齢者全員が老人クラブへの加入を意識しているかには疑問がある。


 富山県の老人クラブ加入率は他地域と大きく乖離している。
 どうも、老人クラブ加入者の定義を調べてみる必要がありそうだ。

(統計データ)
(Dec.09,2007/Add.)


 なお、青年団の加入率については、県平均で1.0%(1999年)であり、五箇三村と細入村を除いた全ての市町村で10%以下となっている。
 利賀と上平については、100%加入となっているが、これは当該年齢者を自動的に登録しているのであろう。


 以上のようなコミュニティ組織については、一応、任意加入の組織と考えられる。
 しかし、婦人会、青年団については、歴史的経緯から、全員加入の考え方がある。さらに老人クラブについても、こうした組織の類推から全員加入の考えがあるのだろう。いわば任意のネットワーク型組織でなく、社会的に決められたヒエラルキー型組織の様相が強い。
 こうした中で、青年団については、対象年齢層である若い世代の社会移動が激しく、歴史的なしきたりに束縛されない面もあり、いち早く組織が崩れたといえよう。婦人会については、地域なりに、婦人の集まりがあっても、いわゆる婦人会組織への登録は、面倒が多いとして避けられているのであろう。老人クラブについては、世代交代と元気な高齢者の増加とともに、組織率も低下していくであろう。
 以上のようなコミュニティ組織の是非はともかく、加入率の低下と相まって、コミュニティでの人と人の繋がりが薄くなってきていることは間違いない。そして、このような組織の中で培われてきた、様々な社会規範も弱まっている。この結果、その是非はともかく、少子化、離婚・非婚、高齢者扶養の社会化等々、様々な社会問題も生じてきている。いわば、フランシス・フクヤマのいう「大崩壊」である。フランシス・フクヤマ著、鈴木主税訳、「大崩壊」の時代(上・下) 、早川書房、2000年7月
 フクヤマのいうように、社会規範の再構築のためには、ヒエラルキー型組織の再強化ではなく、個々人のボランタリーな意識によるネットワーク型組織の形成が必要であろう。この新たな繋がりの中で、誠実さや互恵性といった精神をとりもどし、信頼関係の及ぶ幅を拡大していくことが求められていよう
 具体的には、NPOなどの動きもある。インターネットのホームページを契機とした新たな繋がりの形成も期待できよう。このことについては、インターネット1万人開設運動などを、ボランタリーな形で、積極的に働きかけてもよいのではなかろうか。
 ただし、富山県でのNPOの活動は、他地域に比べて極めて低調なようである。

(統計データ)


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(Oct.14,2000.)