第4章 堅実な生活
第6節 価値ある暮らし

第2項 スポーツ
―スポーツ人口の減少―

低調なスポーツ活動
─2006年社会生活基本調査─

 総務省の「社会生活基本調査」によれば、スポーツ行動者率(一年間にスポーツをした経験がある人の比率)は、調査時点ごとに大きく低下しており、最近の10年間では10%ポイント以上の低下となっている。
 こうした中で、富山県は、13.5%ポイントの大幅な低下となっており、石川県や福井県との差も開いている。


 スポーツ行動者率の長期的な推移をみると、1991年がピークで、以降低下が続いている。
 これは、バブル経済崩壊以降の経済の低迷の中で、国全体が活力を失っている様相を示しているのであろう。
 富山県では、2000年に国体が開催されたが、県民的盛り上がりはなかったということとなるのだろうか。


 富山県のスポーツ行動者率は、都道府県の中では10番目目に低い。
 スポーツ行動者率は、一般に、大都市圏で高く、その他地域で低い傾向がある。
 また、南高北低の傾向も見られる。


 スポーツ種目別では、ウォーキング・軽い体操が特に多く、約30%となっている。
 次いでボウリングが約15%で高いが、これは近年若干盛り返しているのであろう。
 このほか10%以上の種目としては、スキー・スノーボード、水泳、器具を使ったトレーニングが続く。
 多くの種目で、男の方の行動者比率が高いが、ウォーキング・軽い体操などは、女の方が高い。


 スポーツ種目別行動者率を全国の率と比較すると、殆どの種目で、富山県は全国水準以下となっている。
 スキー・スノーボードは1.62倍と高いが、地域性からいって当然であろう。
 他に、ソフトボール1.15倍、ゲートボール1.00倍となっているが、大勢でやる競技が相対的に盛んなようである。


 スポーツを日常的な鍛練、楽しみ、健康づくりとして積極的に行っている人について、その頻度を仮に週一回以上とすると、年間の行動日数については、概ね50日以上となる。多様な人が混ざっており一概に決めることはできないが、平均で50日以上の種目は以下のようになる。
 まず、柔道、剣道がともに100日を超えるが、これは限られた人が鍛練としてやっているといえよう。
 バスケットボ ー ル、バレーボール、野球、サッカー、ゲートボールは、いずれもチームプレーで、競技としての楽しみを伴うものである。
 ウォーキング・軽い体操、器具を使ったトレーニング、ジョギング・マラソンについては、体力づくりを目指しているものであろう。
 テニスは、競技としての楽しみと体力づくりがほどよく重なっている種目といえそうである。



(統計データ)

(Feb.18,2010)


「社会生活基本調査」結果

 2001年の社会生活基本調査によれば、富山県でのスポーツ人口比率(スポーツ行動者比率;過去1年間にスポーツをやったことがある人の比率)は67.2%であった。全国での76.0%に比して約9%ポイント低く、都道府県の中でも10番目に小さいものとなっている。
 なお、スポーツ人口比率は一般に大都市地域で高く、その他地域、特に日本海沿岸地域等で低い傾向がある。


 スポーツ人口比率は、最近10年間に富山県でも全国でも大きく減少している。
 特に、富山県では、最近の5年間に4.8%ポイント減少しており、都道府県の中でも最も大きい減少幅となっている。
 ちなみに、この5年間に減少しなかった全国唯一の県は、2002年に国体がある高知県であった。


 スポーツ人口比率の変化を年齢階層別に見ると、主として若い世代での減少幅が大きい。
 この結果、富山県のスポーツ人口比率は、35-44歳層を除いて、全国平均を下回っている。
 特に、55歳以上の層の乖離は10%ポイント近い。

 スポーツ人口比率の減少については、一面では、スポーツ以外にも面白いことがいろいろと増えていることによろう。
 また、一面では、日常生活・仕事に忙しく、スポーツを行う余裕がなくなってきているためとも考えられる。


時代論
 多くの人がするスポーツのうち、やる人が特に増えているのは、運動としての散歩・軽い体操である。
 水泳も若干増えている。


 しかし、1990年代を通じて野球、ソフトボール、ゴルフなど多くのスポーツの人口が減少している。


 なお、やる人は、まだ限られているが、サッカーについては次第に増加している。

 以上のように、種目別には、サッカーを別として、集団で行う競技スポーツの人口に減少が見られ、健康維持増進等を指向した一人で行うスポーツ人口には増加が見られる。


年代論
 年齢階層別行動者比率をスポーツ種目別にみると、若い世代が最大でない種目としては、ゲートホール、散歩・体操、ゴルフなどがある。


 また、若い世代が最大の種目には、ボウリングなどがある。


世代論
 なお、運動としての散歩・軽い体操、ゴルフ、ゲートボールについては、世代に伴って年齢層が移動していると見られる。
 ボウリングについても世代に伴う移動があるようだが、全体が減少しており必ずしも明確ではない。


(統計データ)

「社会生活基本調査」
調査機関;総務省統計局
調査日;2001年10月20日
富山県での調査対象者;10歳以上、995人
Web Site;http://www.stat.go.jp/data/shakai/

(Aug.24,2002.)



(以下は、1996年調査結果に基づく分析です。)

スポーツは盛んになっているか?

 成熟社会において文化・スポーツの華が開くというイメージがある。また、富山県では2000年国体に向けてスポーツ振興に努めている。しかし、広く県民の中でスポーツは盛んになっているのだろうか。

限られた習慣的スポーツ人口

 県民のうちどれくらいの人がどの程度スポーツをやっているのか。明確に把握できる一般的な統計がない。
 「社会生活基本調査報告」では、各種スポーツについての実行頻度別人口がでている。しかし、全国を範囲としており、例えば富山県のみすると数が少なく統計的に不確かなものとなるため、地域集計はなされていない。
 最も多くの人が行っているスポーツは軽い体操及び運動としての散歩であり、それぞれ1割を超えている。その他の種目については、器具トレーニング、ジョギングが3%を超え、ついで水泳、バスケットボールが2%超、以下サッカー、テニス、野球、バレーボール、ゴルフ等と続く。
 これらの種目のスポーツをする人に重複がないとすれば、1週間に1回以上のスポーツをするのは約6割の人となるが、重複をどの程度差し引くべきかは不明である。
 また、実施頻度は、週1回、週2、3回、週4回以上に区分されているが、各種目それぞれで概ね3分の1ずつに分かれている。


 一方、1日の時間帯の中でどれ位いの人がスポーツをしているかについて見ると、平日では、いわゆるアフターファイブの時間帯の行動者率が最も高くなるが、最大でも男女それぞれ2.2%、1.3%に留まっている。
 なお、ピークの時間帯は、男が17時〜、女が20時〜と異なっている。


地域柄のあるスポーツ種目

 種目別に全国と比して富山県で相対的に多いのは、ゲートボール、スキー、ハンドボール、柔道、相撲などがあげられる。これらは、地域や会社での集団行動、気候的条件、地域としての得意種目などが要因と考えられる。
 一方相対的に少ない種目としては、弓道、スキューバーダイビング、アーチェリー、サーフィン、フィールドアスレチックなどがあげられる。


頑張る中高年

 スポーツ時間を年齢階層別に見ると平日では中高年層が若年層より多い。日曜では、中年層、特に35〜44歳層の時間が著しく多い。
 さらに、スポーツ実施者が若年層に多いことを勘案すれば、中高年でスポーツをやる人は、一生懸命時間を掛けてやっていることが窺える。


 スポーツを取り巻く状況の変化について体系的に説明するには統計等が不十分であるが、バブル崩壊後の現在、中年者のスポーツ行動に見られるように健康維持志向のスポーツはある程度継続しているが、一部の流行のスポーツを除き多くの種目の実施者が減少しておりルールに乗っ取った競争的スポーツは縮小しているように考えられる。
 R.カイヨワの遊び分類で言えば、騒ぎごと(パイディア)はあっても精進する姿勢(ルドゥス)は欠けてきているのではなかろうか。
 ただし、県内では、2000年国体に向けて競技スポーツの水準向上に努めており、実態としては、スポーツをやる人とやらない人の2極分化の傾向が出ているのではなかろうか。
(統計データ)

(98.07.21.Rev.)


児童・生徒の体力(Jan.24,2009)

高い施設の整備率

 富山県のスポーツ施設の人口当たりの整備率は、石川県や福井県と並んで全国に比し概して高い。特に、プールについては、全国の2倍以上の水準である。また、現在、西暦2000年国体の開催に向けて、県下全域で大型のスポーツ施設の整備が急速に進められており、施設水準は、一層向上していくこととなっている。また、積極的な施設需要に対して、民間経営の施設も増加してきている。
 一方、各地の多様な施設は、夜間もある程度利用可能となつている。また、学校の体育館・グランド開放も進んでおり、運動をするための環境は相当程度整ってきているといえよう。
(統計データ)

(Apr.21,2004.Rev.)


施設利用の活性化

 富山県のスポーツ施設の実態から見れば、今後のスポーツ人口の増加は、県民の意識の一層の変化にかかっているといえよう。
 一方、今後一層増えていく各種施設は、単に受け身的にその利用者を待つのではなく、その利用の活性化としてはもとより、地域のスポーツ人口の増加に向けて積極的な役割を果たしていくことが必要である。現在、2000年国体に向けて、競技力向上のための選手養成のための努力が続けられている。これと併せて、単に競技者を相手とするだけでなく、日常的な健康増進、ストレス解消を目的とした人も受け入れ、スポーツの裾野を拡大していく体制の整備が期待される。



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(Feb.18,2010Rev.)