第4章 堅実な生活
第6節 価値ある暮らし

文化(2)
―文化財―

天ざかる鄙
―文化財指定件数―


重要文化財件数 2006年
絵画・
彫刻・
工芸品
書跡・
古書・
考古・
歴史資料
建造物
全 国6,952 3,2572,28612,495
富山県2281949
比 率0.3%0.2%0.8%0.4%
 富山県の国指定文化財件数を見ると、重要文化財は極めて少なく49件で、全国の0.4%にとどまっている。


 富山県は、関西、関東に挟まれた中部圏にありながらも、重要文化財の件数は、相対的に少なく、「天ざかる鄙」となっている。
 これは、現在、人の居住する平野部は、ほとんど大河川の氾濫原であって、明治以降の治水事業の進展まで、財の蓄積が困難であったためではなかろうか。
 また、例えば、大伴家持の在任は、奈良の大仏建立を支えるものであったし、江戸時代の体制は、加賀百万石を支えるものであったなど、下積みの文化の地域であったことも影響していよう。



史跡・名勝・天然記念物
件数 2006年
史跡名勝天然
記念物
全 国1553 298 932 2,783
富山県1721231
比 率1.1%0.7%1.3%1.1
 他方、史跡・名勝・天然記念物については、合計で31件であるが、全国の1.1%であり、富山県の規模に見合った件数と一応いえよう。


 ただし、他地域と比して、少ないことは否めない。


 国指定の重要文化財及び史跡・名勝・天然記念物で見る限り、富山県は必ずしも観光資源に富んだ地域とはいえないであろう。


 なお、県内の文化財の分布を見ると、全国の中での富山県の位置と同様の状況にある。まず多くの文化財は、高岡市・富山市に集中している。また、黒部川や早月側等の氾濫原であった黒部市・滑川市等には、指定されているものがない。

 「富山県の観光資源は多いのだが、知名度が低い」という言説があるが、これは県民を鼓舞するためのものであろう。
 もちろん「豊かな自然がある」などの主張もあるが、明確な尺度を持ったものではない。
 ただし、小生自信は、観光資源の意義を単にそこに存在するものではなく、我々がそれに触れ、楽しみ、発信する文化的活動に他者が共感するものだと捉えている。そこに何があるかより、そこで何をしているかこそが大事なのではなかろうか。
 この意味では、例えば、高岡で「万葉」にこだわったいろいろな活動がなされていることには、それなりの大切な意義があると考えている。
 なお、観光に関する議論は、文化論とともに、他方で産業論としても展開されるが、この際には地域の産業のあり方の全体像の中で論じられる必要があろう。

 「天ざかる鄙」は、大伴家持が越中の枕詞としてしばしば使った表現・・・「天離る鄙に名懸かす越し中・・・(万葉集巻17・4000)」

(統計データ)


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(Oct.23,2008Rev./Mar.07,1998.Orig.)