第5章 モノ作り指向の産業
第2節 各業種の動向

第5項 縮小に向かう建設業

数多い建設業事業所
─2009年経済センサス基礎調査─

 建設業は中分類では、総合工事業、職別工事業、設備工事業に分けられる。このうち最も事業所数が多いのは、職別工事業であるが事業所規模の小さいものが多く、最も就業者数の多いのは総合工事業となっている。


 人口当たりの事業所数、従業者数を都道府県と比較すると職別工事業、設備工事業で、事業所数、従業者数ともに多いものが多数ある。
 これは、一つには富山平野に分散して居住する人々の需要を充たしてきたこともあるが、同時に製造業を始めとする多数の事業所の需要に応えてきた面もあろう。
 さらに土木が比較的多いのは、公共事業を積極的に展開してきたことも背景となっていよう。



(統計データ)

(Jan.04,2012)


 2000年国勢調査によると、富山県の建設業就業者数は71千人で、全産業に占める割合では11.8%となっている。
 この比率は、全国では10.0%であり、富山県は都道府県の中では13番目に大きい。
 建設業就業者割合の全国での分布は、北海道・東北・山陰・九州地方等で高く、三大都市圏及びその隣接圏では相対的に低い中央=周縁が対比されるものとなっている。こうした分布パターンの中では、富山県は、相対的に高い位置にあるといえよう。


 ちなみに、富山県内市町村の建設業就業者比率を見ると、市部では全国平均の10%程度であるが、町村部で高く、特に、五箇3村では25%を超えている。
 このような分布は、全国の分布と同様に、過疎地域ほど国土保全関連の産業が相対的に大きなものとならざるを得ないことを示しているといえよう。


建設業就業者の比率1985199019952000
全国建設業就業者数(人)5,266,295 5,842,027 6,630,578 6,289,765
全産業中の構成比(%)9.0 9.5 10.3 10.0
富山県建設業就業者数(人)60,463 62,040 70,884 70,602
全産業中の構成比(%)10.4 10.4 11.5 11.8
都道府県順位9121213
 最近5年間では、全国の比率が5.1%(341千人)減少したのに対して、富山県では0.4%(3百人)減少の横這いに留まっており、総就業者の中の構成比では0.3%ポイントの増加となっている。
 これは、経済動向が低迷するなかで、景気支援策としての公共工事等が積極的になされてきた結果と考えられるが、1990年代前半と比較すれば、その政策も限界に来ているものと見られる。


 国勢調査と事業所企業統計それぞれにおける建設業就業者を比較すると、調査時点に1年間の差はあるが、これまでは概ね同数となっていた。
 しかし、最近年の調査では、事業所企業統計が1万人以上少なくなっている。これは、この間の減少もあろうが、それ以上に事業所への雇用が縮小され、差異が出てきた可能性が考えられる。


 建設業の需要は、公共事業に支えられるところが大きいが、この公共事業のあり方について再検討が迫られている。
 ひとつは公共事業の本来の目的に添った必要性が大きく変化してきていることである。これは多様な議論がなされているのでここでは、敢えて深入りしない。ただ、各種事業の費用対効果から見て、既に四半世紀前頃から、就業の場を他産業に移行させつつ、公共事業を縮小局面に誘導する措置をとってくるべきであったと思われる。これには、異論があることも承知している。
 また、景気浮揚策としての効果が極めて弱いものとなってきているとも指摘されている。さらに、財政的限界から、早急に見直す必要があることも否定できない事実である。

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(Jan.04,2012Rev.)