鉄道駅を無視する住宅立地
―2003年住宅土地統計調査―

 近年の住宅立地では、鉄道駅の存在は念頭に置かれないようである。

最寄駅距離別住宅比率
 富山の住宅から最寄鉄道駅までの距離については、例えば最寄り駅まで1km未満の住宅の比率が33%(住宅土地統計調査2003年)であり大都市圏地域に次いで大きく、住宅が駅に近いといえる。また、実際に、鉄道の利用が大都市圏に次いで多い。

 富山においては、かつて精力的に鉄道整備が行われ、駅毎に紡績会社を誘致するなど産業振興が図られてきた経緯がある。
 さらに、富山平野がコンパクトにまとまっており、鉄道の敷設がより効果的にできる側面がある。これは、道路の整備についても同様の効果が見られる。
 なお、大都市圏以外で同様に住宅が駅に近いのは、香川と高知である。このうち、香川については、島嶼部を別として、富山と同様に人の居住する平野部がコンパクトにまとまっている。


 最寄り駅1km未満住宅の比率の最近5年間の変化を見ると、1.5%ポイント低下しているが、これは都道府県の中では、大きな減少である。
 全国で、比率が低下しているのは、富山とともに北関東・岐阜を含めて自動車の普及率の高い県と過疎化の激しい道県が中心である。
 この変化については、新たな住宅の立地ばかりでなく、過疎化等による住宅の廃棄もあり、さらに鉄道の廃止及び新設も大きな影響を与えるため、要因を探るのは難しい。
 例えば、高知県で特に増えているのは、土佐くろしお鉄道の効果と見られる。この点については、中村・宿毛間の開通が1997年10月とのことであり、前回、住宅土地統計調査以前となるので精査が必要である。


 駅までの距離で都市地域か否か判断できる訳ではないが、住宅の建築時期別の住宅の最寄鉄道駅までの距離別構成の変化は、住宅の都市での立地の変化を表しているとも考えられる。
 富山では、バブル経済期まで2km以上の構成比が減少しているが、これは、住宅建設の都市集中が進んでいたことを表しているといえよう。また、この間に、1-2kmが漸増しており、同時に郊外化が進んでいたことも読み取れよう。
 しかし、バブル経済崩壊後の住宅建設は、2km以上が増加しており、団塊ジュニア世代以降の住宅建設は、立地の拘束から解放され、鉄道駅(さらには都市)の存在を無視していることが一層明白になっているように見られる。
 この部分は、あまり明確な動向ではなく、思惑を持った統計解釈となっているかもしれない。


通勤時間
 家計を主に支える世帯員(雇用者)の平均通勤時間については、大都市圏、地方中枢都市所在県以外は、ほぼ20-25分となっている。


 こうした中で、富山は、大都市圏、地方中枢都市所在県に次ぐ長さである。



(統計データ)

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(Apr.23,2005.Rev./Aug.25,2001.Orig.)