広い住宅は高い持家率の反映
−−2000年国勢調査調査結果−−
高い持家率
富山の持家率の高さはよく知られている。2000年の国勢調査でも、全世帯のほぼ8割が持家に住んでいた。
これは、全国一高く、秋田、福井など日本海沿岸の諸県が、富山に次いでいる。
その他の世帯については、全国いずれの地域でも、ほとんどが民営借家である。公団等の借家については、多くの県で数%であり、東京、大阪など大都市圏の中心部では1割前後となっている。
富山でなぜ持家率が高いか。
いろいろな要因が考えられるが、人口の社会移動率が低いことが大きな要因ではなかろうか。これはさらには、通勤できる位置にそれなりの職場があり、兼業稲作農家が多かったことに由来する。また、高い持家率は逆に移動率を低下させる相乗効果もあろう。
持家指向が強いとも言われるが、これは高い持家率自体が地域社会の常態となりさらに持家率を高める効果と言えよう。実際に、若年層から家を持つ傾向が強い。
住宅の所有形態と住宅面積
持家率は全世帯の平均住宅面積と極めて相関が高い。
富山もこうした傾向の中で、住宅面積が、全国で最も大きくなっている。
各都道府県の持家に住む世帯の面積充足度を計算して見ると、やはり富山の広さが目立つ。
しかし、全世帯について見た面積充足度に比べて、充足度の低い世帯が大きく減少し、都道府県間の格差は大幅に縮小している。全国平均でも1〜3倍の3つの範囲区分に、それぞれ25%弱の世帯が属する結果となっている。
一方、民営借家の面積充足度については、都道府県間での格差がほとんど見られない。
富山においても、生活上若干狭隘に感じると見られる0.5〜1倍の区分の住宅に住む世帯が最も多い。
持家の評価
持家の面積が面積充足度から見ても総じて広いのは、各自のライフサイクル上で世帯規模が最も大きくなる時期に合わせて住宅が準備されている傾向が強いためと考えられる。
住宅を保有し長期間住むことの利点として、資産の保全を含めた安定した生活の確保ばかりでなく、地域社会での繋がりを育むことや庭等を含めた住宅の整備を楽しむことなどいろいろ上げることができよう。ただし、このような利点を生かした生活が今後とも可能かどうかについては、いろいろと疑問がでてきているのではなかろうか。
このため、仮に住宅市場が充実しており、必要に応じて転居できる環境があれば、無駄な整備をしているという見方もあり得よう。
例えば、近年、世帯当たりの車の所有台数が増え、富山市内などで建設されている住宅については、前面を駐車スペースが占領し、豊かな緑等の配置は困難な状況になっている。また、例えば20年程前に整備された住宅地では、各戸の庭木が排除され駐車場に替えられており、街の魅力が著しく低下してきている。つまり、新たな魅力ある住宅地の形成は困難になっていると言えよう。
仮に、60坪(198u=15m x 13.2m)の宅地で、周囲に1m幅の余裕をとり、駐車スペースを2台分(6m x 5m)取ると、残りは、121.6uで、ほぼ建蔽率の上限60%に近くなってしまう。
富山県での一戸建て新築住宅の延べ床面積は、150uを超えている。2階建てで工夫すれば、建蔽率の限度一杯に住宅を建てる必要はない。しかし、玄関前の空間や倉庫(ストッカー)、その他設備の配置などを検討すると、余裕はほとんどない。
このようなことから、魅力ある都市づくりに関連して、富山における持家についての評価も再検討が必要となっているのでなかろうか。
(統計データ)
(Feb.09,2002.)
さらに拡大する住宅面積
―国勢調査による住宅調査結果―
国勢調査によれば、富山県での1990年代の人口は横這いであったにも拘わらず、住宅総延べ床面積は、約2割も増加している。
これは、世帯数の増加とともに世帯当たりの世帯人員数が減少しているにも拘わらず、住宅当たりの延べ床面積は若干増加しており、結果として、一人当たり床面積が一層増加し、住宅延べ床面積の県内合計が、増加しているものである。
住宅の建て方にもよるが、このような事情を背景として、県内の住宅地はさらに拡大をし続けており、一方で、農業用地の改廃が続いている。
| 世帯当たり 面積(u) | 一人当たり 面積(u) | 総面積 百万u |
| 1990年 | 140.9 | 39.4 | 43.14 |
| 2000年 | 146.4 | 46.9 | 51.24 |
| 増減率(%) | 3.9 | 19.0 | 18.8 |
(統計データ)
(May.10,2003.Add.)
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