第2章 富山の舞台
第2節 人口動態の転換
第4項 社会動態
極めて少ない人口移動 ―2010年住民基本台帳人口移動報告―
→2010年国勢調査結果
2010年中の富山県外からの転入者は12,664人で人口千人当たり11.6人であった。
一方、県外への転出者は13,310で、人口千人当たり12.2人であった。
全国での都道府県を超えた人口移動は18.2人/千人であり、富山県の人口移動率は、転出入とも低い位置にある。
この結果、人口の転出入の差については646人の転出超過であり、人口千人当たりでは0.6人となっている。
これは都道府県の中では、転入超過率の多い方から数えて34番目に位置している。ちなみに転出超となったのは39道府県であった。
他方、県内での人口の移動については11,161人で、人口千人当たりでは10.2人となっている。これは、都道府県の中で最も少ないものである。ちなみに、この移動は、市町村堺を超える移動のみの計数であり、富山県は全国で市町村数が最も少ないことが大きな要因になっている。
ただし、この背景を除いても、富山県での人口移動が他地域に比較して少ないことは間違いないであろう。
(統計データ)
(Mar.01,2010)
移動の沈静化と首都圏への流出の再々拡大 ―人口移動調査結果2007年―
富山県統計課のWebサイトで「富山県人口移動調査結果報告」が分かり易く説明されていますので参照してください。
「富山県人口移動調査結果報告」での人口の社会移動の経年変化を見ると、2005年以降、移動数が大きく減少している。
| 合併年月日 | 構成市町村 | 新市名 | 2004年 域内市 町村間 移動 |
| 2004年11月1日 | 礪波、庄川 | 礪波市 | 64 |
| 2004年11月1日 | 井波、福野、福光、 井口、城端、平、 上平、利賀 | 南砺市 | 270 |
| 2005年4月1日 | 富山、大山、大沢野、 細入、婦中、八尾、 山田 | 富山市 | 2,237 |
| 2005年11月1日 | 新湊、下、小杉、 大門、大島 | 射水市 | 483 |
| 2005年11月1日 | 高岡、福岡 | 高岡市 | 227 |
| 2006年3月31日 | 黒部、宇奈月 | 黒部市 | 64 |
2003年10月1日〜2004年9月30日域内 市町村間移動総数 | 3,345 |
県内移動
ただし、この統計での県内移動とは、市町村間の移動であり、この間に市町村合併があったため、移動数の減少は、統計の定義によるところがかなり大きい。
ちなみに、市町村合併が始まる前の2004年(2004年9月末までの1年間)の人口の県内移動の内、その後合併した市町村間の移動は、3,345人であった。
これに対して、統計上の県内移動総数は、2004年で17,228人、2007年で13,179人であり、この間に4,049人の減少となっている。
ここから合併の影響を除けば、県内移動は、実質700人程度の減少にとどまっていると見る必要があろう。
→県内市町村間の具体的な動き
人口の社会移動数を年齢別に見ると、県内では、20歳代後半から30歳代前半にピークがあるが、これは主として、結婚による世帯形成を契機としたものと見られる。
県境を超えた移動では、20歳代にピークがあるが、これは主として、進学や就職を契機とした移動であろう。(進学による移動は10歳代後半がピークと考えられるが、移動の届出が遅れることに留意が必要である。)
こうした年齢別の違いを人口の年齢構成と重ねて見ると、団塊ジュニア世代の移行により、人口の移動数が今後減少していくものと見込まれる。(人口の構成比はそれぞれの世代での人口の移動の結果として現れていることに留意が必要である。)
県外との移動
他方、戦後の我が国全体での人口の大都市圏へ向かった社会移動については、これまで1970年代前半までの高度経済成長期、1990年頃までのバブル経済期にピークがあり、さらに、近年再び拡大しつつある。
これらの移動の要因については、まず、1970年代前半までの移動は、高度経済成長による三大大都市圏の拡大と団塊世代の進学就職(1960年代後半以降)による移動が重なったものである。
1990年頃までの移動については、経済活動の首都圏集中によるが、バブル経済崩壊以前の1980年代半ばにピークを見せている。団塊ジュニア世代の進学就職は1990年前後であり、これによる移動は明確でない。
2000年代に入ってからの移動については、経済活動の首都圏集中が再々度進んでいるものである。
これは、これまでの社会移動と異なった新たな動きとして捉えていく必要があるのかもしれない。
富山県の県境を超えた社会移動でも、純転出数の推移は、年々の変動はあるが、全国の動向と重なったものとなっている。
県境を超えた社会移動の年齢別変化をさらに詳細に描き、2005年までの移動と以降2007年までの移動を比較すると、富山県では、20歳代前半の就職による転出が増加しているように見られる。
ただし、年別、年別の不規則な変動が大きく、明確な判断は困難である。
(統計データ)
次頁(次項)
節目次
表紙
|