第2章 富山の舞台

 富山の現況・課題を個別に探っていくにあたって、まず富山の諸活動の背景となる舞台について検討する。

第1節 自然環境の大変化
 富山の自然は、急峻な山岳と水田の広がる平野が特徴である。また、緯度に比して温暖で降水に恵まれている。こうした舞台の中、人々のほとんどは、ほどよくまとまった平野で活動している。
 しかし、地球温暖化の中で、環境は大きく変わろうとしており、世界に共通した厳しい課題を抱えている。

第2節 人口動態の転換
 富山県の人口構成は、四半世紀前の全国に先行した出生率の低下から若い世代が少ない。既に、第二次団塊の世代の出産期を通過し、総人口は減少に転じ始めた。
 今後さらに少子高齢化が進むが、これに対応した新しい社会制度の整備が大きな課題となっている。

第3節 経済構造の変革
 富山県は日本の中央部に位置し、先人の努力もあり、経済活動は相対的に高い水準にあった。しかし、経済環境の世界的な変化に、かえって対応が遅れ、その水準は全国平均に近づきつつある。
 今、グローバル化の中での新しい産業構造の形成を始めとする多くの課題に直面している。

第4節 国際社会の中で
 地域のあり方を考えるにあたっても、国際社会の中での位置付けを十分に踏まえることが要請されてきている。


 地球温暖化や人口の少子高齢化、経済のグローバル化などの今日的な課題の多くは、四半世紀前には殆ど確実に起こる事象として見出されていた。しかし、その共通認識の形成には時間がかかり、21世紀に至り幾つかの厳しい現象を前にして、ようやく真に理解され始めた様相である。しかしこの間、必要なリスク管理はなされず、今日に至っても確実な対応の見通しは立っていない。
 個別の課題については各節に委ねるとして、地域としては、このような課題にどのような姿勢で臨むのだろうか。「赤信号、皆で渡って、事故に遭ってもしょうがない」を決め込むのだろうか。地域なりの見識で、主体的な対応をそれなりに図っていくのだろうか。ここでは、地域の生き方の基本姿勢が問われている。
 さらに、課題の認識、対応に遅れを取る社会制度に大きな欠陥があることも考察の必要があろう。これは知識を尊重し、それに基づく社会の方向作りがなされる制度が欠落しているということであろう。ギデンズの言うように、ある意味での民主主義の深化が必要なようである。


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