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冬芽の解説
冬は、植物の変化も少なく、自然観察をする者にとっては、一見つまらない季節である。
しかし、花の観察などとは違って、晴れた日には、様々な植物の休眠の様子をまとめて観察でき、季節なりの楽しさがある。
この休眠期間は、冬芽(とうが、「ふゆめ」と読むこともある)の状態を保っているが、これは花や葉と並んで、植物の同定(種類の判断)の重要な手がかりで、専門家であればこの冬芽だけで植物名がわかるらしい。もっとも冬期間に植物名が知りたければ、樹皮、樹形とともに冬芽を手がかりにして必死に判断するしかないのだろう。
休眠しているとされるが、芽になる細胞の最初の分裂から、何代もの分裂を重ねて一定の大きさに至るまでには時間も要するだろうから、ある時期には冬芽の中で春への準備が着々と行われていることが予想される。
植物の休眠は、冬の寒さや乾季の乾燥に対する防備である。日本の太平洋岸ではこの2つの厳しい環境が同時に襲うが、日本海岸では乾きはない。この意味では、冬芽の機能を周辺環境に合わせて厳密に理解しようとするとかえって誤解が生じそうである。それぞれの植物がどんな植物から分科し、どのような環境の中で進化してきたのか、こうした意味での氏と育ちも念頭に置く必要がある。
不鮮明な写真は、早急に撮影しなおし、更新いたします。
鱗片の有無
◎鱗芽
冬芽の典型的な形は、硬い鱗片に覆われ、寒さにも乾きにも、しっかりと耐えるように構えた芽である。
鱗片は、葉の変形したものらしい。
鱗片のことを芽鱗と呼ぶらしいが、混乱するので、ここでは鱗片とした。
リョウブ
初夏の花殻がいつまでも残っており判別しやすい。
(Feb.09,2009)
◎裸芽
冬芽の中には、覆いの無い種類もまれにはある。
小さくて判断し難いが、葉脈が見えるかどうかで見分ける。
覆いはなくても、小さく縮こまり、毛等で寒さに耐える体勢は取っている。
アジサイ
裸芽
葉痕もはっきり見える
(Feb.09,2009)
アカメガシワ
綿毛で暖かそうではあるが、裸の芽が付いている。
(Feb.09,2009)
◎鞘状の芽
ホオノキ
(Feb.12,2009)
鱗芽の形のいろいろ
◎重なった鱗芽
鱗芽の中でも最も鱗芽らしいのは、何枚かの鱗片が重なり、まさしく鱗状になっている種類であろう。
ケヤキ
(Feb.12,2009)
コナラ
枝先に鱗片に包まれた冬芽が幾つも並んで付いている。
(Feb.09,2009)
◎全体を覆った鱗芽
芽全体を少ない片で覆っており、鱗らしくない種類も多い。
クマノミズキ
(Feb.13,2009)
アズキナシ
(Feb.13,2009)
◎毛を持った鱗芽
鱗ではなく毛皮の鱗片をまとった冬芽も多い。
この毛皮にも毛が長く豪勢なものから、産毛程度のもの、ほとんど目立たないものまでいろんな種類がある。
ハクモクレン
(Feb.13,2009)
付き方のいろいろ
◎頂芽
冬芽は、枝に対する付き方でも分類される。
典型的な付き方は、枝先に堂々とした大きな芽を持つ種類であろう。
タラ
タラの芽は、山菜の王者。
棘があり判別しやすい。
伐採された林地の日向などに多い。
学園周辺には沢山生えている。今年は少し収穫しよう。
(Feb.09,2009)
◎仮頂芽
枝先に付いていても、たまたま付いた場所が枝先であって、他の部位に付いた芽と違わないと見なされる種類もある。
中には、行儀よく2つの芽を並べる種類もある。
カキ
(Feb.09,2009)
クリ
(Feb.13,2009)
◎頂生側芽
枝先に付きながら、主役と脇役を分けている芽もある。
分け方によっては、子供が両手を広げたような可愛い形となる。
同じ木でも、枝先によっては、頂芽が発達せず、側芽が並んでいるのも見られる。
ゴンズイ
本来は、中央に大きな芽があり、両側に小さな側芽があるのだが、これは、片方の側芽が落ち、逆側が大きくなったもののようだ。
(Feb.17,2009)
ミヤマガマズミ
頂芽と側芽がはっきりしている。
(Feb.17,2009)
◎側芽
一般的には、枝の途中に芽が準備される。
当然ではあるが、一つ一つの芽が縦に並ぶ種類や対生の種類など多様なものがある。
ネジキ
(Feb.12,2009)
◎副芽
脇に小さめの芽を従えた種類がある。
これは、鳥などに芽を食べられた際にすぐ代役になるということらしい。
エゴノキ
(Feb.09,2009)
芽の内容
◎花芽・葉芽
冬芽は葉や花を咲かせる準備であるが、葉芽と花芽が別の種類、共用の種類がある。
ことさら丸く大きな芽と小さな芽があれば、芽の区別は容易である。
キリ
花芽
(Feb.12,2009)
オオバクロモジ
葉芽と花芽
マンサクよりやや遅れて咲くが、花芽をしっかり持っている。
(Feb.17,2009)
マンサク
春一番に咲く花は、独立した花芽をしっかり持っている。
(Feb.17,2009)
枝との角度
◎伏生の芽
枝の中に埋め込んだように付いている。
ヌルデ
(Feb.17,2009)
◎やや開生の芽
枝に対してやや角度をもつ。
クリ
(Feb.09,2009)
枝の観察
落葉し、枝の様子が見え易くなって分かることも多い。
◎互生
ミズキ
ミズキとクマノミズキは見分け難いが、葉のつき方で区別できる。
落葉時にははっきりと違って見える。
(Feb.17,2009)
◎対生
クマノミズキ
葉が茂っているときは、次のミズキと区別し難いが、枝が裸になって見えると、違いがはっきりわかる。
(Feb.17,2009)
◎短枝の発達
葉痕で分かる。
アオハダ
よく発達し、葉痕が密集している。
(Feb.17,2009)